事業概要

2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質ゼロを目指すカーボンニュートラルは、世界的な環境政策の重要課題の一つです。各国が温室効果ガスによる地球温暖化対策として、具体的な削減目標を掲げ、取り組みを推進しています。日本における再生可能エネルギーの拡大に向けて、特に注目されているのが洋上風力発電です。ナカボーテックは、火力発電所、原子力発電所の設備やLNGパイプラインなど、エネルギー関連インフラの防食・保守管理を担ってきました。長年培った防食技術と豊富な経験を基盤に、低炭素社会の実現に向けた取り組みを展開しています。

洋上風力発電設備への
防食の特色や概要

洋上風力発電設備の基礎は、主要材料である鋼材が常に海水中に没水しているため、激しく腐食する環境にあります。また、波浪や海流の影響による厳しい施工条件に加え、特に沖合設置の場合は作業船の確保や長時間の移動を要することから、腐食進行後の補修・交換工事には多大な困難が伴ってきました。このため、予防的な腐食対策の実施と、遠隔モニタリングシステムを活用した効率的な保守管理体制の構築が不可欠となっています。このような海洋環境での安定的な運転維持に向けて、電気防食は特に信頼性の高い手法として評価されており、欧州をはじめとする世界各地の洋上風力発電設備の基礎構造物防食に広く採用されています。ナカボーテックは、基礎構造物向けICCPシステムにおいて世界的な実績を持つCORROSION社と2020年に業務提携の覚書を締結しました。同社の外洋における防食技術と遠隔モニタリングに関する知見を活用し、さまざまな形式の基礎構造物に対応可能な防食ソリューションを提供することで、日本における再生可能エネルギー産業の発展に貢献してまいります。