電気防食法:流電陽極方式
流電陽極方式は、防食対象物を構成する金属よりもイオン化傾向が大きい金属を陽極(主にマグネシウム合金陽極)としてケーブルで接続し、電気化学的作用によって腐食を防止する方法です。防食対象物の代わりに、犠牲的に陽極が腐食することから「犠牲陽極方式」とも呼ばれます。当社では防食性能を最大限に発揮するために、あらかじめバックフィルを組み合わせた陽極材料を用いています。


電気防食法:外部電源方式
外部電源方式は、土壌中に難溶性の通電電極を設置し、直流電源装置を使用して防食対象物に防食電流を供給する方式です。通電用電極の設置方法として、比較的浅い土壌中に埋設する「浅埋方式」と、ボーリングによって深い土壌中に埋設する「深埋方式」があります。施工場所や対象物周辺の埋設金属構造物への影響など、環境に応じて方式を使い分ける必要があり、技術力が求められます。



排流法
排流法には、選択排流方式と強制排流方式があります。どちらも、ケーブルを介して迷走電流を埋設金属構造物から直流電気鉄道のレールに戻す(帰流させる)ことで埋設金属構造物の腐食を防止する方式です。
選択排流方式
選択排流器を介して対象配管とレールを接続し、対象配管に流入した迷走電流を直接レールに帰流させる方式です。周囲の他埋設金属構造物への影響(干渉)を考慮して抵抗器を挿入し、その影響を低減させます。電源が不要であるためランニングコストを抑えられます。


強制排流方式
選択排流方式と外部電源方式を兼ね備えた方式であり、レールを電極として防食電流を対象配管に供給します。また、迷走電流が流入した場合は、選択排流方式と同様に迷走電流をレールに戻す働きをします。

