土壌中で起こる腐食

土壌腐食

埋設された鋼構造物を取り巻く環境(土壌)は、土質、水分量、酸素濃度等のさまざまな要因によって不均一な状態です。同じ構造物でも異なる環境要因に置かれた場合、酸素や水分等の違いから想定外な腐食が生じます。また、土壌に含まれる酸や鉄を分解する微生物が原因となって、腐食が生じることもあります。

コンクリート/土壌(C/S)
マクロセル腐食

埋設された配管がコンクリート貫通部で生じる腐食をC/Sマクロセル腐食と言います(コンクリート(Concrete)/土壌(Soil)マクロセル腐食)。土壌中の配管と強アルカリ性のコンクリート中の鉄筋という、異なるpH環境に置かれた金属が接触すると、腐食電池を形成。この時、埋設配管がアノード(腐食する側)となり、腐食が起こります。埋設配管のアノードとなる表面積と比べて、カソードとなるコンクリート中の鉄筋の表面積の方が大きくなると、腐食電流も大きくなり埋設配管が激しく腐食し、配管の損傷による内容物の漏洩を引き起こす危険性があります。

図.コンクリート/土壌マクロセル腐食の模式図

電食

電食とは、主に直流電気鉄道のレールから漏れた電流(迷走電流)が、付近の他埋設金属構造物に流入し、特定の流出点で生じる腐食です。また、電気防食設備から意図せず他埋設金属構造物に対して電流が流入してしまい、悪影響を及ぼす干渉も電食の一つと言えます。

  1. 電流の一部がレールから土中に漏れる(迷走電流)
  2. 漏れた電流が付近の埋設された配管に流入
  3. 電流は発生源に戻ろうと
    埋設された配管から土中に流出電食
  4. レール・変電所に戻る
図.直流電気鉄道による電食イメージ