電気防食工法

お客様の設備や環境に合わせて最適な電気防食装置をご提案。
流電陽極方式と外部電源方式の2種類を使い分け、幅広い設備に対応いたします。

流電陽極方式

流電陽極方式は、防食対象物と陽極との間の電気的エネルギー差を利用し、防食電流を供給し続けることで腐食を軽減防止する方法です。当社では様々な環境に対応できるようアルミニウム系、亜鉛系、マグネシウム系の3種類から最適な陽極を選定しています。

常時水没する位置に陽極を取り付け、防食対象物と電気的に導通させます。

外部電源方式

電源を利用して難溶性電極から防食電流を供給し続けることで、対象物の腐食を軽減防止します。この方式は防食電流の調整が可能であるため、淡水などの高抵抗環境や腐食が激しい環境にも適用することができます。

難溶性電極を防食対象物に取り付け、電源装置を介して防食対象物と接続します。

主に発電所やプラント設備における腐食、ダムや水門などの淡水環境での腐食のほか、
ステンレス特有の腐食や様々な腐食形態を検討し、
それらの防食対策として電気防食装置を提供しています。

発電所・プラント設備

配管内面のような流速環境下にある設備には、絶えず水と酸素が供給され続けるため、非常に腐食しやすいという特徴があります。また、チタン、ステンレス、銅、鉄など様々な種類の金属が混在している設備では、それぞれの金属の電位差によって異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が起こります。これらの腐食に対して、アルミニウム合金陽極や亜鉛合金陽極を使用した流電陽極方式が多く採用されています。
また、発電所で用いられる復水器のような大型機器では、腐食環境も刻々と変化するため、常に一定の防食電位になるよう供給する防食電流を自動的に制御する外部電源方式(定電位自動制御)が多く採用されています。外部電源方式に使用される電極は一般的な金属を用いると溶解してしまうので、防食効果を確保するために白金チタン電極、MMO電極などの難溶性電極を使用しています。

河川・ダム堰/鋼構造物

河川・ダムのような淡水環境においても海水環境と同様に腐食が起こり、特に異なる金属同士の電位差が引き起こす異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が設備に影響を及ぼします。また、ステンレス鋼などの場合、腐食を抑制していた不動態皮膜の表面に異物等が付着することによって起こるすき間腐食などのマクロセル腐食が問題になる場合があります。比較的海に近く塩分濃度が高い河川環境においては、流電陽極方式を採用する場合が多く、陽極材としてマグネシウム合金陽極が用いられています。ダムなどの海から離れた取水設備においては、一般的な河川と比べて塩分濃度が非常に低い高抵抗環境であることから、外部電源方式が採用された実績もあります。

その他

鋼製水路橋内面や水処理施設などの機器においても電気防食が採用されています。