調査診断:コンクリート劣化調査
塩害劣化事例(道路橋)
コンクリート中に浸透した塩化物イオンを完全に除去することは困難であり、断面修復および表面塗装を行っても再劣化している事例です
塩害劣化事例(桟橋上部工)
桟橋は環境的に塩化物イオンの供給が非常に多く、特に高度成長期に建設された桟橋は当時の塩害に対する知見が少なかったこともあり鉄筋かぶり不足や締固め不足など、塩害に対する耐久性の低いコンクリートが多く見受けられます。
コンクリート劣化度調査(桟橋上部工)
- 外観目視
小型ボートで桟橋の中に入り、上部コンクリートの外観目視点検を行います。また劣化状態や保有性能について劣化度判定を行います。
- 打音調査
かぶりコンクリートの浮きや剥離は目視調査で確認しにくいため、点検ハンマーで打音検査を行います。
コンクリート劣化度調査(桟橋上部工)
- はつり調査
コンクリートの一部をはつり取り、かぶり深さ、中性化深さ、鉄筋の種類、径、腐食状況等を直接的に目視で観察を行います。
また自然電位や分極抵抗測定を行う際の排流としても利用します。 - コア採取
鉄筋探査を行い、鉄筋を避けた位置においてコア採取を行います。
採取コアより塩化物イオン量や圧縮強度、静弾性係数などの指標とします。
コンクリート劣化度調査(桟橋上部工)
- 鉄筋探査
コンクリート中の鉄筋腐食に対する非破壊試験は、腐食が電気化学的反応であることを利用した方法です。
主な測定項目として自然電位や分極抵抗、コンクリート抵抗測定があります。鉄筋の腐食傾向や腐食速度に関する情報を得ることができます。 - 電気化学的測定
自然電位Ecorr(mV) 鋼材腐食の可能性 -200<Ecorr 90%以上の確率で腐食なし -350<Ecorr≦-200 不確定 Ecorr≦-350 90%以上の確率で腐食有り 銅/硫酸銅照合電極基準(CSE)
分極抵抗の腐食性判定例(NICEシステム)
損傷度 分極抵抗
Rp(kΩ・cm2)腐食性 I・II Rp≦40(50) 大 III 40(50)<Rp≦60(80) 軽微 IV Rp>60(80) なし コンクリート構造物健全度診断マニュアル(案):平成10年3月建設省土木研究所共同研究報告
低周波数測定時間を10sとした時の値
( )内は、測定時間を100sとした場合の値